労災死亡事故の慰謝料の相場について
労働災害で被災者が死亡したとき、労災保険から遺族(補償)給付等を受けることができます。これとは別に、会社または加害者である第三者に対して民事上の損害賠償請求が可能であるときは、慰謝料(死亡慰謝料)を求めることができます。
慰謝料の相場として、一応の目安があります。
被災者の家族構成にもよりますが、一般的には以下のとおりです。ご家族(近親者)の慰謝料も含めた総額になります。
・被災者が一家の支柱であるとき 2800万円
・被災者が母親、配偶者であるとき 2500万円
・被災者が上記以外(※)のとき 2000万円~2500万円
※独身の男女、子ども、幼児等
これはあくまで目安に過ぎません。具体的な事情(被災者の年齢、会社の落ち度の程度、悪質性、事故後の会社の対応等の一切の事情)によって、変動することがあります。裁判例においても、3000万円を超える慰謝料が認定されているケースは多数存在します。
また、慰謝料は、労災保険から遺族(補償)給付等を受け取ったからと言って、その分を差し引かれるものではありません。この点を混同しないことが重要です。
その他、被災者にも過失があった場合には、過失相殺によって、受け取ることができる慰謝料が減額されるときがあります。ただし、この過失相殺の程度については、慎重な見極めが必要です。特に、事故態様に争いがあるケース(または判然としないケース)では、専門家にも相談をして、慎重に検討をする必要があります。